
料理をおいしそうに撮影するためには、いくつかのポイントがあります。
自宅で簡単に実践できるコツをご紹介しましょう。
1. 用意するもの
カメラ・三脚
デジタルカメラまたは携帯電話のカメラで撮影します。三脚があると、より手元が固定されてブレず、かつ細かい構図を確認しながら撮影できます。

レフ板
光をレフ板で反射させ、暗い部分(陰になっている部分)に当てることで、対象物をより明るく撮影することができます。ご自宅では、段ボールに白い紙を貼ったものでも代用できます。
※写真は、ホームセンターなどで買ったスチレンボード(発砲スチロールと同様の素材の板)を2枚つないだものです。

テーブルクロス・ランチョンマット
明るくきれいな色のテーブルクロスやランチョンマットは、食卓を楽しい雰囲気にしてくれます。

2. 場所・光の調整
自然光が入る明るい場所で昼間に撮影
昼間に太陽の光が入る窓辺などで撮影すると、明るい写真が撮影できます。ただし直射日光は、料理に余計な陰を作ってしまうので当たらない場所にするか、レースカーテンで光をやわらげましょう。

レフ板で光を当て、料理を明るく見せる
どうしても陰になってしまう部分は、レフ板を使って窓から入る光を反射させて料理に当てると、明るくおいしそうに撮影できます。

3. カメラの設定
「プログラムモード」「望遠」で撮影
カメラ上部の「P(プログラムモード)」を指定すると、カメラが明るさやピントなどを自動的に調整してくれます。また「W(広角)/T(望遠)」の「T」を指定すると、撮影範囲の歪みをより抑えた写真が撮れます。

「マクロ撮影」のモードで撮影する
料理はより近く(アップ)で撮影する方が、分かりやすくおいしく見えます。「マクロ撮影(花のマーク)」を選択すると、接写(近くに寄って撮影)してもピントが合います。

露出を調整してより明るくきれいに
「プラス・マイナス」のマークを選び、明るさを調整します。プラスはより明るく、反対にマイナスはより暗くなります。デジタルカメラの機種にもよりますが、「0」よりも+0.3から+0.7明るくすると、おいしそうな写真が撮影できる場合が多いので積極的に調整してみましょう。

4. アングル・構図
ななめ45度の高さから撮影する
普段食事をする時の目の高さは、料理に対してななめ約45度。基本的に、この高さから撮影すると、おいしそうに見えます。他にも、見せたい料理の一番良い表情を、自分の目線を上下させながら探してみるのもおすすめです。

半逆光になる場所から撮る
半逆光とは、逆光の方向から45度左右にずらした角度。この位置から撮影すると、料理に立体感が出ます。

料理をアップぎみに写すのが基本
お皿のふちがフレームからはみ出るぐらい料理をアップで撮ると、迫力が出ると同時に、料理のシズル感(五感を刺激する、おいしそうな雰囲気)が演出できます。

5. スマートフォン(携帯電話)のカメラの場合に気を付けること
スマートフォンの機種によっては、カメラの明るさやピントを調整することができます。可能な場合は、下記の点を調整すると美しい写真が撮れます。
明るさの調整
明るさを調整できるバーがある場合は、指でスライドさせながら好みの明るさにします。また、タッチした部分が自動的に明るくなる機能のあるスマートフォンもあります。

ピントの調整
撮影対象を決め、ピントを合わせます。スマートフォンでは、指でタッチした部分にピントが合う機種がほとんどです。

6. その他
盛り付け方で料理がさらに映える!
パスタやサラダ、天ぷらなどは、高く盛り付けると映えます。


テーブルウェアも楽しんで
季節やイベントなどに合わせて、テーブルクロスや食器などを変えると、食卓がより楽しく華やかになり、おすすめです。


今回「料理撮影のコツ」を教えていただいたのは
菱田雅之さん
幼少期から学生時代まで、日本・香港・オーストラリア・アメリカで過ごす。アメリカの南インディアナ州立大学卒業後、制作会社の写真事業部のカメラマンアシスタントを経て、2008年に独立。現在は関西を拠点に、フリーランスカメラマンとして広告や雑誌などの撮影を行う。ファッションを中心に、料理や施設など幅広いフィールドで活躍中。